大学の頃色々と辛いことがあってどうしようもなく疲れていた時に僕は「それでも世界が続くなら」というバンドの「参加賞」という曲に出会いました。
めちゃめちゃいい曲なんで是非なんか辛いことを抱えてる人は聞いた方がいいと思うんですけど(パリピの方はブラウザバックして一生EDM聞いててくたさい)、ただどうしても声とかが気にくわない人のために歌詞を要約すると「参加賞でいいからほしいです。明日死んでもいいです。ただ僕がここにいた証拠くらいはほしいです。」みたいな感じだと思う。
この控えめすぎる感じ。哀れというか切ないというか、、、なんかそんな感じ。多くの人が1番を望む中「参加賞でいいです」なんて思っちゃう感じが当時の僕には衝撃で、一瞬で大好きになったバンドでした。
そんな彼らが9月に活動休止するらしくてこれはヤベェと思ってラストツアーのファイナルに参戦しに下北沢まで行ってきたんですがその話をしたいと思います。
自分に向けて歌う音楽
それでも世界が続くなら、通称それせかのボーカル篠塚さんはこんなようなことをどこかで言ってたらしいです。
「ブルーハーツとかのロックスターを見たんですけど、彼らの歌う歌の中には僕みたいな人間はいなかった。だから僕は自分に向けて音楽を作った。それが自分と同じようなことを感じてる人に伝わればそれでいいと思ってる」
めちゃめちゃかっこいいと思いました。
たしかに僕も昔はワンオクとかウーバーとか04LSとかオーラルとか大好きで赤ディッキ履いてフェスとか行きまくってた時期あったんですけど、途中で「なんかこれちげーな」ってなって気づいたらamazarashiばっかり聞くようになってました。
もっというとEXILEの感じとかは本当に苦手。いや踊りとかかっこいいし歌うまいしめっちゃ頑張ってるしよくよく考えるとディスるとこ全くないんですけどなんか無理なんですよね。何というか完全に別の生き物みたいな感じ。なんか分からないけど自分がEXILE聞いてたら逮捕されそうな気がするんです。お前そっち側じゃねーだろみたいな感じで。
というわけでそういったイケイケな音楽とは違う、それせかの自分のために歌うというスタンスで生まれる自己愛の少なすぎる音楽がめっちゃ共感できるし大好きなわけです。
ちなみに上の篠塚さんの発言はライブ始まる前に隣にいた2人組の会話を盗み聞きして知ったことなんで信憑性とか皆無です。間違ってたらマジでごめんなさい。
自分に向けた音楽であっても自分のための音楽ではない(んだと思う)
ライブ中篠塚さんは「こんなダメなおれだけど」みたいなことと「今日来てくれたお前らにはなんか一つでも返してやりたい」みたいなことを何度も何度も叫んでました。
それを聞いてなんとなくですが「自己愛のなさ」と「まじめさ」を感じました。
これ精神状態がダメな時の僕がそうなんですけど、例えば誰かが自分に対して1嬉しいことをしてくれた時に
「うわ、めっちゃ嬉しい、1くれたから俺も2、、、いや、俺クソ人間だしな、いいやつがクソ人間に1くれて2返すじゃ足りないよなー、、、よし、100返そ」
みたいな謎の思考回路が出来上がってるんですよね。だから雑務とか面倒な頼みごととか基本無償でやるし、それでたまに「優しい人なんだね」みたいなこと言われると「いや違うから、自分が嫌いすぎるだけだから、、、あれ?俺人の感謝ですら素直に受け取ることができない人間になってる??嫌い。」ってなってさらに落ち込んでみたいなことになるわけです。
何となく篠塚さんもこうなんじゃないのかなと思いました。何となく。
だって百人以上お客さんを集めれるバンドのフロントマンって客観的に考えてめっちゃすごくないですか?僕そのへんの一流企業に勤めてる人より何千倍もすごいと思うんですよ(一流企業勤めの皆さんごめんなさい)。で、多分それは篠塚さんも分かってると思うんですけどそれでもやっぱり自分のこと好きになれないんだろうなと思うんです。自己愛がなさすぎるから。
そんなボロボロの人間が自分のことを置いておいて来てくれたお客さんのために何かしたいと精一杯声を出して歌うってもうなんかやばくないですか?語彙力ないんでアレですけどもうほんとすごい感動しました。すごかった。
いや実際本人がそんなこと考えてるか知らないですけどね、僕にはそう見えました。
だからそれせかの音楽は共感できるところが多くて聞いててとても落ち着きます。かき鳴らすギターの音も轟音につぐ轟音で個人的に大好きな感じです。
という訳でここまでで約2000文字、特に脈絡なく好きなことを書いてきましたが、そんなよく分からないこの記事をここまで飽きずに読んでくれた人はおそらく「それせかがすでに大好きな人」か「それせかを大好きになる要素を持った人」だと思います。
ぜひ一度聞いてみてください。最高です。
それでは。ありがとうございました。